注目アニメ、「ダーリン・イン・ザ・フランキス」の劇中用語考察
今シーズン最大の注目作「ダーリン・イン・ザ・フランキス」について
ダリフラとは
トリガーの新作アニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」(通称「ダリフラ」)が始まりましたね。
現在、第3話まで放映されています。
叫竜と呼ばれる怪獣から人類を守るため、「フランクス」という少年少女二人乗りの巨大ロボットが戦うお話。
3話までの時点では、まだまだ世界観に謎が多く、戦闘もそんなに行われないので、次週が凄く気になると言う程、エキサイティングでは無いですね。
ただ、タイトルロゴやテロップから、建物やロボット、衣装までデザインがしっかり作られているし、アニメーションも非常にクオリティが高いので、今後のストーリー展開にも期待が高まります。
本作は色々な劇中用語が出てくるのですが、まだ全然わからないことだらけですよね。私なりに考察してみました。
フランクス
ダリフラのロボはフランクス(FRANXX)と呼ばれています、英語の単語で(frank)は「率直な」とか「素直な」という意味ですが、それとは関係なさそうな。。
フランクス達は目や口が付いてて、人型だったりすることを考えると、単純にフランケンシュタインの「フラン」かしら?
そうだとすると叫竜とか、宇宙人とかの死体を、兵器として動かしているってことですかね?
操縦方式もこれまた奇妙なんですよね。女の子のパイロットがフランクスに同期し、男の子側のパイロットが操縦桿を握って操縦します。なので、フランクス達の目や口の表情は、操縦中は女の子のパイロットの感情に合わせて変わります。またフランクスの見た目は全て女性型です。
パイロットたちはパラサイト(寄生)と呼ばれていますね。これも死体に寄生して動かしているから、そういう呼び名なのでしょうか?
花の名前(ストレリチア等)
フランクス達の名前、ストレリチア、デルフィニウム、アルジェンティア、ジェニスタ、クロロフィッツは全て花の名前です。
また男の子のパイロットの呼び名、ステイメン(stamen)は雄しべ、女の子のパイロットの呼び名、ピスティル(pistil)には雌しべの意味があります。
花みたいにフランクス達は開花して第二形態になったりするんでしょうか?
地学用語
叫竜達は大きさによって、階級付けられています。コンラッド級とかモホロビチッチ級とか。これらは、地学用語で地震波の伝播速度によって分類される、地殻の境界面の名前のようです。
なので今後、グーテンベルグ級とかレーマン級というのが、多分出てくるでしょう。
ダリフラの世界は、「マグマ燃料」の採掘によって地殻変動や環境破壊が進んだ世界という設定。「叫竜」というのはマグマ燃料の取り過ぎで、怒った地殻の化身とかそういうのなのかしら?舞台が地球とは明言されていないので、人類が住み着こうとしている別の惑星なのかもしれません。
別の惑星だとすると、「叫竜」というのは、原住民の使う兵器なのかもしれないですね。コア部分を壊さないとやっつけられない設定ですが、もしかしたらそこがコクピット部分なのかも?
作中、人類は「プランテーション」と呼ばれる地上移動要塞都市に住んでいます。「プランテーション」とは大農園、かつては「植民地化」の意で使われた言葉。別惑星という可能性は高そうです。
ゼロツー
ヒロインの角の生えた女の子、ゼロツーは、叫竜の血を引いていると言われています。また子供の時に青い血を流している描写があります。
ただ今のところ、叫竜はどうみても巨大怪獣であり、とても人類との間に子孫を作れそうには見えません。謎です。。これから人型の叫竜が出てくるのかな?
子供の頃は現在よりもかなり角が長かった描写があるので、あのカチューシャのようなもので角の長さを抑えているのかも。カチューシャが壊れ、角が本来の長さになった時、暴走とかするのかも知れないですね
とまあ、2クールアニメの第3話時点なので、謎はつきません。今後が楽しみです。
妻に「ポプテピピック」を観せてみた
どうやらネットでの評判も上々なクソアニメ、「ポプテピピック」。
フライングして私は深夜に1人で見てしまったのですが、妻のリアクションが気になったので、妻と一緒にもう一度見てみました。
妻のスペック
- 一児の母、エンタメ業界で働いている
- 少しオタク
- アニメ好き、お笑い(ダウンタウン)も好き
- 好きな作品「名探偵コナン」「フルメタル・パニック ふもっふ」
- 漫画の「ポプテピピック」は読んだことある
妻の反応
冒頭の美少女アニメ「星色ガールドロップ」が嘘アニメだとバレた所
あっ!ふふふ…
以降彼女は笑わなかった…
喋ってるのを見て
声が可愛くないな…
前半15分が終わった所
短くない?これ15分アニメ?
後半(再放送)冒頭
再放送?何か違うとこあるの?
しばらくたって…
これまじで全部繰り返すの?
終了後
まじで時間無駄にしたわ。。でもまあ、話題になるだろうから勉強ということで…
とまあ、なんともドライな反応の妻でした。
ついに放映開始した「ポプテピピック」、学生主催の自主制作アニメイベントのようなカオス
アニメ版、ポプテピピックが遂に放送開始されましたね!
前から注目していたので、
普段は録画してあるアニメを観る私も、正座してAbema TVでリアルタイムで見ました。
すごいクソアニメ!
いやー度肝を抜かれましたね。
漫画の中でも「クソ漫画」を自称するポプテピピック、アニメ版でもその上を行く「クソアニメ」っぷりを見せつけてくれました。(笑)
絵柄の可愛らしい4コマ漫画のアニメ化ということで、「日常」とか「らきすた」みたいな感じに萌系にするのかと思いきや、全然違いました。
4コマ漫画アニメ化のよくあるパターンだと、テーマや話を繋げやすい、いくつかの短編をつなぎ合わせて15分くらいのエピソードにするんですよね。正統派といえば正統派、「サザエさん」から時代から続く正しいアニメ化といえます。
ところが「ポプテピピック」のしたのは、原作の「クソ漫画」というコンセプト、エッセンスを濃厚に継承し、「クソアニメ」として昇華させるという荒業だったのでした。
視聴者を光速で置いてけぼりにした「ポプテピピック」、どこがやばかったかというと。
やばかった点
- エピソード感のつながり一切なし
- 絵柄がコロコロ変わる
- 乱発されるマニアックで唐突なパロディ描写
- 後半15分が前半15分の再放送。(主役の声優のみ謎の変更)
- 主人公2人の声が当初発表の人気アイドル女性声優からベテランのおじさま声優変更。(再放送ではまた別のベテラン声優に)
もっと細かく上げればキリがない感じ。
マニアックなパロディネタ満載で面白いのかよくわからない(だいたいつまらない)ショートショートが乱発されるさまは、レベルの低い学生主催の自主制作アニメ祭を見たようなカオス感でした。(笑)
前の記事でも述べた、シリーズ構成の「青木純さん」は学生アニメ出身で、そういう自主制作アニメイベントに沢山参加していたので、あのカオス感を参考にしたのかしら?
前半15分で一話目は終わり、後半15分は声優を替えただけの再放送という放送ミスのような構成といい、色んな意味で1話目のインパクトはでかかったですね。
話題にもなったし滑り出しは上々なのではないでしょうか?
2話目以降もこれを繰り返すと、すぐ飽きられちゃうと思うので、どう違う方法で驚かせてくれるかに期待です。
「 ポプテピピック」1話目を見てちょっと既視感を感じんたです。
以前、「ニンジャ・スレイヤー」という話題作が合ったのですが、これも似たような感じで、視聴者が期待していたのとは違うFlashアニメのような、非常にチープな描写の第1話でとても話題になりました。
でも、それがずっと続いて、ずぐに飽きちゃったんですよね。。
【レビュー】夜明け告げるルーのうた【評価】★★★★★
こんにちは、森ノ湖です!良いアニメーションを観た!
世界的に評価の高い湯浅監督の最新作「夜明け告げるルーのうた」をDVDで観ました!
素晴らしい映画というのは、映画から感じるエネルギー自体が違うものですが、この映画も素晴らしいパワフルな作品でした。
私の大好きなシーンは3つあります。
1.冒頭、ルーの歌声を聞いたカイが、思わず踊りだしちゃうシーン。
湯浅作品でよく出てくる足をバタバタするダンスを踊って、最後のキメポーズまでしちゃうのが本当にキュートでした。一気に映画に引き込まれるシーンですね。
2.ルーが保健所に集められてた野良犬を、サカナ犬に変えて救うシーン。
このシーンはたくさん面白いところがあって、ルーは水を使って野良犬を外に出すんですが、この時、ルーの操る水が四角い立方体みたいな形になるんですね。このぷるぷるとした豆腐みたいな液体の表現は何度も出てくるんですが、とてもユニークです。
また、ルーは野良犬を犬サカナに変身させるのですが、このメタモルフォーゼのシーンが楽しいんです。グニョングニョーンって犬をサカナに変身させて、脱出させるのって若干倫理にひっかかりそうで笑ったのですが、この狂った感じが良いのですよね◎
3.ルーのお父さんが、ピンチに陥ったルーを助けるために、怒り燃え盛りながら街中を駆け回るシーン。
黒い山のようになって燃え上がるパパに鳥肌が立ちました。「オツベルと象」で像が怒るシーンを思い出したよ
4.夜の街が浸水するシーン。
海面が上昇して、街中が浸水してしまうのですが、水がほのかに光る蒼緑色で描かれてて、凄くきれいなんですよ!
3つと言ったのに4つあげてしまった。まあ良いか。
アメリカの大人気カートゥーン「アドベンチャータイム」のエピソードを制作したり、海外で非常に人気の高い湯浅監督。
私が観るより先に、アメリカでアニメーターをしている友達が映画祭でこの映画を観て、Facebookで絶賛してたので悔しい思いをしていました。
日本での劇場公開時は息子が産まれたばかりで観られなかったからね。やっと見れたぜ!
【レビュー】勇気溢れる復讐譚!古代日本が舞台の「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」【評価】★★★★☆
こんにちは!森ノ湖です。NYで去年見た作品について。
日本でも遂に「クボ」が今月末に公開されるそうですね。
私は去年の夏にニューヨークで観ました。
1年以上もリリース時期に差があるとは。。
ライカによる珠玉のストップモーションアニメ!
「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」(原題"KUBO")は「コララインとボタンの魔女」とか「ザ・ボックストロールズ」を作ったスタジオ「ライカ」制作のアニメ。
今回の作品は大昔の日本が舞台となっています。
魔法の三味線をもつ少年クボが、お母さんの魂を宿すニホンザルと侍の魂を持つちょっとマヌケなクワガタムシを仲間に冒険する復讐譚です!
日本の雰囲気を活かしたストップモーションアニメが見どころで、呪いや妖怪などが出てくる陰鬱な日本土着の雰囲気をうまく表現しています。
クボが三味線を弾くと魔法の力が折り紙に命を吹き込まれ、自由自在に動きます。紙が一枚一枚、折られて踊る、めくるめくような美しさ。
CGとストップモーションアニメを組み合わせた戦闘描写も圧巻で、特に妖怪ガシャドクロと戦うシーンはド迫力。
ガシャドクロの人形は相当でかくて、クレーンで操作したらしい。すげえ。。
日本についてよく研究されていて、灯篭流しやお祭り、お盆や輪廻転成の思想など、ストーリーに上手く取り込まれています。
悲しく激しい復讐譚というテーマも日本を舞台にした雰囲気にマッチしていました。
アートなアニメ映画を作れるのがちょっとうらやましい
こういう雰囲気重視の作品は日本だと、芸術的短編アニメみたいな扱いになってしまいがち。
さすが資本のあるアメリカのスタジオ、贅沢にお金を使い大作に仕上げているところが素晴らしいです。
日本はもちろんアニメ大国で2Dのアニメーションでは最先端、CGアニメーションでもPixar等に負けないよう頑張っていますよね。
最近は日本発のCGアニメ作品も良い線いっていると思います。
ですが、ストップモーションで大作劇場アニメを作るスタジオはまだないですね。
いつか日本からもこんな作品が生まれたら面白いなぁと思います。
「ポプテピピック」アニメ化と「コタツネコ」の話
「ポプテピピック」アニメ化について。
大川ぷくぷ先生の狂気にあふれる漫画
2018年からアニメ化で、今年も話題の「ポプテピピック」。
可愛さと不気味さを兼ね備えた絶妙な顔つきのキャラデザインが良いですよね。
キャラがまた毒舌で狂ったことばかり言うんだ。。
ネットでイラストをしょっちゅう見かけます。
アニメの制作スタッフ情報が先日更新されていました。
2018年1月より放送開始予定のTVアニメ「ポプテピピック」ですが、スタッフ情報を更新しました。
放送をおたのしみに!!!
原作:大川ぶくぶ(竹書房「まんがライフWIN」)
企画・プロデュース:須藤孝太郎
シリーズ構成:青木純(スペースネコカンパニー)
コンセプトデザインワークス:梅木葵
音響監督:鐘江徹
音響効果:小山恭正
音響制作:グロービジョン
音楽:吟(BUSTED ROSE)
音楽制作:キングレコード
シリーズディレクター:青木純(スペースネコカンパニー)、梅木葵
アニメーション制作:神風動画
製作:キングレコード
http://hoshiiro.jp/
おお、青木純さんが参加している!
スペースネコカンパニーの青木純さんとは
美大在学中に私は落書きのようなアニメーションを作っていたのですが、
当時(私の中で)超話題になっていたのが、東京芸大生だった青木純さんが作った「コタツネコ」のストップモーションアニメでした。
NHKのデジスタでも大きく取り上げられてました。
芸・美大生が作るアニメーションは、だいたい詩的というかアート寄りなよくわからない作品が多いのですが、完全にエンタメに振り切った青木純さんの作品に惚れて、このアニメを何回も見ていました。
この勢いやっぱり凄い。。
大学卒業後は自分の会社を作って大活躍されています。
「みんなのうた」とか「サラリーマンNEO」とか。
「ポプテピピック」も楽しい作品になりそうですね!待ち遠しいです!
「おそ松さん」のような狂った作品にして話題をかっさらってほしいです◎
現作コミック。面白いです。
可愛い。ファッキューなねんどろいど。
【けものフレンズの先輩ふれんず!】動物が出てくるおすすめTVアニメ&映画作品
こんにちは、落書きにハマっている森ノ湖です!
今回はケモノアニメに関して書きます。
「けものフレンズ」が最近は色んな意味で話題ですね。
ぜひ、続編はたつき監督に作って頂きたいところです。
あの作品のグラフィックは3DCGなので、同じモデルを使えば、別の監督でも似たようなビジュアルは作成可能な気がします。
でも独特の会話の間とか、ちょっとズレた感じの演出、それでいて真面目なSFもやっているという、絶妙なバランスは誰でも再現できるものではないと思います。
きっとなんだかんだでたつき監督にまたシーズン2をやってもらえるのではないのかな?
「けものフレンズ」の他にも喋る動物の出てくるアニメの傑作はたくさんあります!
今回はそれらをご紹介!
「ズートピア」ケモノの国を舞台にしたミステリー映画!
ズートピアという進化した動物たちが住む世界を舞台に、うさぎの警官と狐の詐欺師が行方不明事件を捜査するバディ・ムービー。
スリリングな展開が魅力です。
ズートピアというミステリアスな世界観には、まだまだ展開できる要素がたくさんあるので、続編ができるのを期待しています!
「パンダコパンダ」水森亜土の歌う曲も良い♫
宮﨑駿監督による傑作短編映画。パンダの親子、パパンダと子パンダのパン、そしてミミ子ちゃんの物語。
ミミ子ちゃんは両親が、パンちゃんはお母さんがいません。そこでパパンダをミミ子とパンのお父さん、ミミ子がパンのお母さんという設定で一緒に暮らすことに。
パパンダ達の受け答え(「とくに竹やぶが良い。」)や、しぐさがいちいち可愛くて、思わず頬がにやけちゃいます。
「ガンバの冒険」イタチの迫力がバハムート級!
ガンバという正義感あふれる、街のネズミが港町のネズミとともに、イタチに襲われ困っている島のネズミを助けに行く、冒険ロマン。
イタチの描写が本当に恐ろしくて、絶対に勝てっこない絶望感が半端ないです。
それを尻尾を立てて乗り越えていく、ガンバたちに勇気がもらえます。
「バンビ」珠玉の傑作!
ディズニーによる傑作動物映画。
マルチプレーン・カメラ撮影による奥行きのある美しい自然の描写を背景に描かれる、躍動感あふれる動物たちの営みは目を見張ります。
ストーリーも可愛らしく、まさしくディズニーの傑作の一本だと思います。
「名探偵ホームズ」声優の渋い演技が光る!
宮﨑駿監督が関わっていた傑作TVアニメシリーズ。
あの有名な探偵シャーロック・ホームズやワトソンが犬の姿で描かれます。
推理よりもドタバタな活劇に焦点が当てられており、おもしろメカやドンパチの銃撃戦など、ハラハラ・ドキドキ楽しく観られます。
ホームズ役の広川太一郎のダンディでニヒルな喋り方がとてもかっこいい!
アドリブがかなりまじってるとか、なんとか。
「けものフレンズ」考察も盛り上がる、ほんわかアニメ
最近一番のヒット、ケモノアニメと言えばこれ。
ケモノが進化して人間のような姿をして暮らしているジャパリパークという、
遊園地のような場所を舞台に記憶喪失のカバンちゃんが冒険します。
ほんわか明るいアニメかと思いきや、暗い設定を漂わせる絶妙な台詞回しや展開に大人気となりました。
いかがでしたか?
まだまだたくさん紹介したい作品はありますが、今回はここまでです!
どのアニメも傑作ですので、ぜひ一度ご覧あれ!
【レビュー】アビスに眠るのは真実の自分か?傑作「メイド イン アビス」【評価】★★★★★
「メイド イン アビス」、漫画が原作の劇場版クオリティTVアニメ!
まず、クオリティが劇場版並みである。
劇場版並みのクオリティという謳い文句の作品はたくさんあるが、「メイド・イン・アビス」程その言葉にふさわしい作品はないだろう。
テレビアニメと劇場アニメで特に大きな差が出るのが背景描写だと思うが、メイドインアビスの背景は特に美しい!自然溢れる大穴といる摩訶不思議な舞台設定を生態系すら感じさせる、超緻密かつロマンチックなタッチで描いていて、そこでまず普通のアニメとは違うんだぞ、という凄みを感じさせる。
アマゾンプライムビデオで観られる。
物語について
ストーリーは巨大な大穴の中へ少女と少年型ロボが、母を訪ねて探検に行く物語だ。
上へ、上と上昇していく作品は多い中、穴に潜って、ひたすら下降していくというのは非常に面白い。
宮﨑駿作品は、上昇するシーンのカタルシスに定評がある。その気持ちよさや、世界中の人々に愛される理由でもある。
何年か前には「天元突破グレンラガン」という地下から宇宙まで飛び出していく作品があった。
これもまた開放感の塊というべき作品であった。
上昇には一種の精神的開放感があるのである。
では下降には何があるのだろうか?
上昇が自分からの開放とするならば、下降には自分の内面への到達のような側面があると私は思う。
大穴アビスの上部は実に平和である。
のどかな描写と絵本のようなかわいいキャラクターに視聴者は完全に油断させられる。
だがしかし、中へ中へと潜るに連れ、危険で残虐な面が見えてくる。
「可愛いキャラクターがこんなひどい目に。。」という描写がたくさん出てきて、度肝を抜かれる。
特徴的なものの一つに「上昇負荷」という概念がある。
深く潜れば、潜るほど、上へ戻る際に身体に負担がかかるのだ。
第2層や3層レベルでの負荷は「気持ちが悪くなる」程度なので大したことはないのだが、第6層から戻る際には「人間の体を保てなくなり」、7層から戻ろうとすると「確実な死」という絶望的な状況が待っている。
深淵たるアビスが人の心と仮定するならば、これは自分の内面を覗き過ぎてしまった者が、元に戻れなくなってしまうことを表しているのかもしれない。
だがしかし、冒険者たちはアビスに魅了されてやまない。
まるで哲学者たちが人の心を解き明かすことに執心したように。
深淵へ深淵へと潜っていく行為はとても怖い、だがとても謎に満ち、ミステリアスで魅力的なのだ。
我らが住む現実の世界では、今でも海洋の95%は未知のままであるという。母なる海は謎に満ちている。
アビスという未知の大穴に、母を求めて旅に行くというテーマは、自らの内面を辿り、そのルーツ(母)を目指すということへのメタファーなのかもしれない。
新しい仲間、「ナナチ」と合流!アビスの深淵にあるものとは!?
テレビアニメ版は第1シーズンが終わったばかりだ。
ウサギみたいな姿で可愛らしい。「ナナチ」が冒険の仲間に加わったところ。
いつ第2シーズンが始まるのかは分からないが、旅の果てに待ち受けているものは何なのか?とても楽しみである。
余談ではあるが、イラストを描いてみたら結構楽しかった。
【レビュー】町おこしを描いた異色アニメ「サクラクエスト」【評価】★★★★★
アマゾンプライムで春から2クール観ていたサクラクエストが遂に最終回を迎えた。
「女の子が国王に就任する」というあらすじとタイトルからファンタジーもののとんでも設定なアニメなのかと思って、一話目だけ観てみるか程度の気分で見始めたのですが、これが全然違ってとても良い作品でした。
むしろ話は、ファンタジー色ゼロ、実に地味な作風だが、しかし現代社会の問題を提起する興味深い作品でした。
「女の子が国王に就任する」ではちょっとあらすじとして不十分なので、もう少し詳しいあらすじを描くと、
これは新卒の女の子が田舎のミニ独立国の国王として就職、そして町おこしに奮闘する物語です。
ミニ独立国とは
さてミニ独立国とは何でしょうか?80年代生まれの私はまったく聞いたこともない言葉でした。
これは80年代に、日本国内において地域振興や自然保護運動の手段としてブームとなった活動らしい。地方に独立国を『建国』し、広く宣伝するする活動だったようです。
今でいう「ゆるキャラ」でしょうかね?
80年代にはたくさんあったミニ独立国ですが、乱立後、あっという間に衰退、現在ではほとんど存在しないそうです。
というわけで、「女の子が国王として就任する」というファンタジーかと思っていたあらすじも、全然そんなことなかったんですね。
感覚としては一日警察署長をタレントがするみたいなあんな感じ。
1話目で、これが現実にあり得る話なんだと知って、すっかり私は引き込まれました。
田舎の抱える、解決できない問題
といっても主人公のヨシノは、人気のある女優というわけでもなく、ちょっと読モをした事がある程度の一般人。
町で知り合った同年代の女の子4人とともに、一軒家に住み込み、アイデアを振り絞って町おこしに取り組んでいきます。
たくさんの地方問題が描かれます。
独居老人達の限界集落
大型スーパーの影響、そして住民の高齢化による商店街の衰退
バス路線の廃止
少子化による廃校
都会に住むものには想像もできませんね。これらの問題が簡単に解決できることではないということも丁寧に描かれます。
前半、町を外部に知ってもらう活動
ヨシノは巻き込まれ型主人公で最初は受け身で投げやりですが、だんだんその才能を発揮し、ユニークなアイデアと周りを巻き込む力で実行していきます。
前半の物語では外部の人を町へ呼ぶための宣伝として
C級グルメフェス
伝統工芸の宣伝
映画のロケ地としての誘致
村に住む独身男性のための出会いとして婚活ツアー
有名バンドによるライブ
などなど様々なことを考え、実行に移していきます。。
こういう活動はニュースとかで観ますよね。バックグラウンドには地方の思いがあるのかと思うととても興味深かったです。
たしかに、私も町の宣伝のためなら外部に知ってもらい、観光客が増えるのが一番な気がしました。
町を気に入って移住してくれるかもしれないし。
でもまあ、これらの活動で劇的に町が変わったりはしませんでした。
一時的にたくさんの人が来てくれたりはしましたが、イベント時以外はまた元に戻ってしまうのです。
そりゃそうですよね。仕事もあるし移住は簡単にはできません。。
徹底して地味というか、都合の良い展開に全然持っていかないんですね。
どんどん成功したでは、地方都市の問題提起にはならないし、リアルでとても良いと思いました。
そして後半へ、町を一つに
そして、ヨシノ達は気づくのです、地域活性化に本当に必要なのは、住人の意識が変わること、なにより彼らに町を愛してもらうこと。
後半は外部ではなく町の内部へと、視点を映し、活動していきます。
そして、今まで見えてこなかったことが見えてきます。
この町を愛し、移住してきた民俗学者や、様々なユニークな人たちとの出会い
忘れられてしまった歴史や文化
住民が抱いている様々な思い、町を活性化させようという思いを持って人はたくさんいたということ
物語は遠い昔に失われてしまった民話とお祭りを復活させるところでクライマックスを迎えます。
お祭りが盛り上がったからと言って、問題が全て片付き、簡単に変わるわけではありません。
それは登場人物たちによっても語られます。
ですが、これからの物語は町人たち自身で作っていくんだという意思と、新たなスタートを感じさせるとても良い締めくくりでした。
私自身、名古屋から東京に出てきたこともあり、田舎に帰るUターンやIターンは格好悪いと思い込んでいましたが、そんな選択肢も良いなと思わせてくれる作品でした。
最後まで地味な作風でしたが、主人公ヨシノのピンクの髪の毛だけは派手だったなぁ(笑)
「君の名は」のパクリ疑惑についての私の考え
「君の名は」のBDが発売された7月末頃くらいからレイアウトのパクリ疑惑が話題ですね。
「虹色ほたる」や「時をかける少女」といった過去のアニメ映画に似たシーンがいくつか存在しているようです。
最近ではその疑惑が知れ渡り、世界的に話題になってしまっているようです。
有名なオマージュ
しかしながら、別にこういったことは珍しいことではありません。有名なレイアウトの相似といえばこの作品です。
エヴァで有名な、日本を代表するアニメ映画監督である庵野秀明監督は、「宇宙戦艦ヤマト」の大大大ファンです。
そして、自作のアニメ「ふしぎの海のナディア」で戦艦ノーチラス号が発進するシーンを、「宇宙戦艦ヤマト」で戦艦ヤマトが出発するシーンのレイアウトやタイミングを参考にして作りました!
これはかなり有名な話で、親切なファンが検証した動画がこちら。
タイミングから演出までそっくりですね!
実際に「宇宙戦艦ヤマト」で使われた砲撃の効果音まで借りたそうです。
ちゃんと関係各位に許可を得てオマージュしたようです。
もちろん許可を得ているので、ナディアには何の問題もないのですが、TV放映時に「一部宇宙戦艦ヤマトへのオマージュとして、レイアウトを真似たシーンがあります。」のような注釈も合わせて放送されたかというと、そうではないと思います。
しかし、当時のオタクにはすぐにわかってしまったでしょう。
元ネタが超有名な「宇宙戦艦ヤマト」ですからね。そしてリアクションはどうだったか?パクリ疑惑として責めたのか?
憶測になってしまいますけど、
彼らの反応はこんな感じだったんじゃないでしょうか?
「かっこいい!さすが庵野秀明監督だ!この引用の仕方、、彼は分かってる!!」
とか、
「このオマージュに気づいたのはきっと俺だけだ!ほかのオタクとは知識レベルが違うからな。今度自慢してやろう!」
みたいな感じだったと思います。
「かっこいい!」とか「庵野監督の引用センスの良さ」としてこの件について書いてあるのは読んだことがあります。
ですが、このシーンがパクリだとして問題になったなんて話や文献は見たことがないです。
レイアウトとは?
レイアウトというのはカメラのアングルの事。
無限にあるように思えて、良いアングルというのはある程度限られます。
もし同じ場所をモチーフに撮影したら、そっくりなレイアウトの写真ができてしまうのは想像に難くないでしょう。
映画でもそうです。
名作とよばれる映画のシーンは徹底的に研究され、似たシーンやレイアウトを含んでいる映画はたくさんあります。
しかしながら、それらが糾弾されることは殆どありません。多分それらの映画はレイアウトについて許可すらとってないと思いますが、、。
今回はアニメ映画なので、特に注目されているのでしょうね。
誰もが思うように、アニメは人の手によって、画面にあるものを全て、意図的に描かなければいけないですから。
しかしながら、実写映画も制作過程には同じ要素が詰まっています。
素人にはパっと見、その場をただ撮影しているように見えますが、実際は全ての小道具から、アングル、ライトの当て方、モブの動きまで監督はすべての指示をして作っており、アニメほどとは言えないまでも画面に映るものは意図的に配置されているのです。
私の結論
個人的な意見としては、画面をトレースしたわけではなく、レイアウトが似ているくらいなら良いと思います。
「君の名は」、「ふしぎの海のナディア」も、レイアウトは似ているけれど、そのシーンから受ける印象、絵柄、雰囲気、意図はまったく違っています。
作品としての良さにまったく変わりはないです。
今回のように、似たシーンを見つけて語り合うのは良いと思います。
ですがそこから発展して「パクリのシーンがある、この映画は駄作だ!」みたいな風潮は良くないと思うのです。
これによって新海誠監督や「君の名は」の評価が下がり、今後の作品が作られなくなってしまうと慣れば、それはアニメ業界や、私達ファンにとって大きな損失です。
レイアウト関連に問題があるならば当事者同士(映画会社や監督)が話し合えば良いこと。
我々1ファンのはリアクションは「宇宙戦艦ヤマト」や「ふしぎの海のナディア」時代のファンにならい、こんな感じでいいんじゃないでしょうか?
「ねえねえ、気づいたか?このシーンは○○○のオマージュなんだぜ。知らなかったの?更に言うとこのシーンは。。」
みたいな感じ。
あんまり、語りすぎると引かれるので要注意ですけどね。
あなたがいかに深い知識を持っているか、話の種にする位が丁度良いと思います。