「君の名は」のパクリ疑惑についての私の考え
「君の名は」のBDが発売された7月末頃くらいからレイアウトのパクリ疑惑が話題ですね。
「虹色ほたる」や「時をかける少女」といった過去のアニメ映画に似たシーンがいくつか存在しているようです。
最近ではその疑惑が知れ渡り、世界的に話題になってしまっているようです。
有名なオマージュ
しかしながら、別にこういったことは珍しいことではありません。有名なレイアウトの相似といえばこの作品です。
エヴァで有名な、日本を代表するアニメ映画監督である庵野秀明監督は、「宇宙戦艦ヤマト」の大大大ファンです。
そして、自作のアニメ「ふしぎの海のナディア」で戦艦ノーチラス号が発進するシーンを、「宇宙戦艦ヤマト」で戦艦ヤマトが出発するシーンのレイアウトやタイミングを参考にして作りました!
これはかなり有名な話で、親切なファンが検証した動画がこちら。
タイミングから演出までそっくりですね!
実際に「宇宙戦艦ヤマト」で使われた砲撃の効果音まで借りたそうです。
ちゃんと関係各位に許可を得てオマージュしたようです。
もちろん許可を得ているので、ナディアには何の問題もないのですが、TV放映時に「一部宇宙戦艦ヤマトへのオマージュとして、レイアウトを真似たシーンがあります。」のような注釈も合わせて放送されたかというと、そうではないと思います。
しかし、当時のオタクにはすぐにわかってしまったでしょう。
元ネタが超有名な「宇宙戦艦ヤマト」ですからね。そしてリアクションはどうだったか?パクリ疑惑として責めたのか?
憶測になってしまいますけど、
彼らの反応はこんな感じだったんじゃないでしょうか?
「かっこいい!さすが庵野秀明監督だ!この引用の仕方、、彼は分かってる!!」
とか、
「このオマージュに気づいたのはきっと俺だけだ!ほかのオタクとは知識レベルが違うからな。今度自慢してやろう!」
みたいな感じだったと思います。
「かっこいい!」とか「庵野監督の引用センスの良さ」としてこの件について書いてあるのは読んだことがあります。
ですが、このシーンがパクリだとして問題になったなんて話や文献は見たことがないです。
レイアウトとは?
レイアウトというのはカメラのアングルの事。
無限にあるように思えて、良いアングルというのはある程度限られます。
もし同じ場所をモチーフに撮影したら、そっくりなレイアウトの写真ができてしまうのは想像に難くないでしょう。
映画でもそうです。
名作とよばれる映画のシーンは徹底的に研究され、似たシーンやレイアウトを含んでいる映画はたくさんあります。
しかしながら、それらが糾弾されることは殆どありません。多分それらの映画はレイアウトについて許可すらとってないと思いますが、、。
今回はアニメ映画なので、特に注目されているのでしょうね。
誰もが思うように、アニメは人の手によって、画面にあるものを全て、意図的に描かなければいけないですから。
しかしながら、実写映画も制作過程には同じ要素が詰まっています。
素人にはパっと見、その場をただ撮影しているように見えますが、実際は全ての小道具から、アングル、ライトの当て方、モブの動きまで監督はすべての指示をして作っており、アニメほどとは言えないまでも画面に映るものは意図的に配置されているのです。
私の結論
個人的な意見としては、画面をトレースしたわけではなく、レイアウトが似ているくらいなら良いと思います。
「君の名は」、「ふしぎの海のナディア」も、レイアウトは似ているけれど、そのシーンから受ける印象、絵柄、雰囲気、意図はまったく違っています。
作品としての良さにまったく変わりはないです。
今回のように、似たシーンを見つけて語り合うのは良いと思います。
ですがそこから発展して「パクリのシーンがある、この映画は駄作だ!」みたいな風潮は良くないと思うのです。
これによって新海誠監督や「君の名は」の評価が下がり、今後の作品が作られなくなってしまうと慣れば、それはアニメ業界や、私達ファンにとって大きな損失です。
レイアウト関連に問題があるならば当事者同士(映画会社や監督)が話し合えば良いこと。
我々1ファンのはリアクションは「宇宙戦艦ヤマト」や「ふしぎの海のナディア」時代のファンにならい、こんな感じでいいんじゃないでしょうか?
「ねえねえ、気づいたか?このシーンは○○○のオマージュなんだぜ。知らなかったの?更に言うとこのシーンは。。」
みたいな感じ。
あんまり、語りすぎると引かれるので要注意ですけどね。
あなたがいかに深い知識を持っているか、話の種にする位が丁度良いと思います。