【レビュー】ファウンダー ハンバーガー帝国の秘密【評価】★★★★☆
週末は、妻と一緒に映画、「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」を観ました。
「ファウンダー(Founder)」とは創業者という意味で、この映画は今や日常に欠かせない世界的大企業、マクドナルドの創業者を描いた作品です。
予想していたのは小さいハンバーガー屋のオーナーが成功を納めて、どんどん大きくフランチャイズ展開していくというものだったのですが、全然違いました。
あらすじ
マクドナルドは最初、マクドナルド兄弟(マックとディック)がカルフォルニアの田舎に開店した小さなハンバーガーレストランでした。超計算、効率化されたキッチンシステムを備えており、高品質とハイスピードの提供を両立させ、大人気でした。でも、それを現在の巨大なフランチャイズにしたのは、この兄弟ではなく、全然別の人物だったのです。
これはその人物、レイ・クロックを描いた作品です。
感想
僕はそんなでもないのですが、妻はハンバーガーが大好き。週に一回くらいは食べています。そんな妻でも好きじゃないハンバーガーがマクドナルドのハンバーガー。アメリカでもマクドナルドのハンバーガーはあまり人気ないですね。味が良くないというのは共通の認識のよう。
ところが、マクドナルド兄弟は、口癖のように「効率化をしても、品質を保たなければならない。」「味が大事だ!」って言っているんです。どうして味がまずい印象になってしまったのか?不思議ですよね。
その理由がレイ・パーカーなんです。ミルクシェイクのセールスマンをしていたレイはマクドナルドの画期的システム、そして美味しさに惚れ込み、フランチャイズ化をマクドナルド兄弟に打診します。
フランチャイズ化をすると品質を保つことが難しくなることをしっていた兄弟はその申し出を渋るのですが、レイの情熱に遂に折れ、「経営内容を変える時に、必ず許可を取ること」を条件に了承します。
天才的経営手腕と情熱を持つレイは、様々な困難にあっても諦めず、アメリカ全土へとマクドナルドを展開することに奔走していきます。彼がマクドナルドと出会ったのは、御年52歳の時ですよ。隠居を考えてもおかしくない年。すごい情熱と行動力です。
最初は味に惚れ込んでいたレイですが、だんだんおかしくなってしまうんですね。儲けを上げるためには、品質を下げることすら厭わなくなります。
マクドナルド兄弟を差し置いて、創業者として名乗りはじめ…そして遂にマクドナルド兄弟が邪魔になった彼は経営権まで奪おうと画策していきます。
マクドナルドを乗っ取るような形で、経営していく彼は手段を選ばぬ悪役然として描かれていくのですが、彼がいなければ今のようにファストフードが世界中で楽しめることはなかったのではないでしょうか?世界中に雇用の機会を作り、正に彼のしたことは偉業です!
世界的な大企業の、しかしながら公に語られていない創業秘話のダークサイドを知れる映画としてとても面白い作品でした。
観た後、「もう、絶対、マクドナルドのハンバーガーを食べたくなくなっちゃった。」と妻は言いました。
もの凄くマクドナルドについて学べるし、マクドナルドの名前がたくさん出てくる映画なのですが、マクドナルドが一切公認しなかった点にいささかの疑問も沸かない。実にストレートで痛快な出来でした(笑)