ベルリンのカフェで夏目漱石を聴く
ベルリンでの私の楽しみは、週末に行くカフェでのひと時でした。
カフェラテとケーキを頼んでのんびり食べながら、読書をするのが息抜き。
ベルリンのカフェはお洒落で素敵なところが多いけど、休日でもあまり混んでないのが良いです。晴れた日の昼は、みんなピクニックに行っているのかな?
余談ですが、ベルリンだとホットカフェラテがガラスのコップで出ます。コーヒーとの区別のためらしい。
熱くて待つのが大変なので、やめて欲しいといつも思っています。。
ある日、カフェでいつもの用に読書をしていると、日本語を話している声が聞こえました。
斜め前の席の2人組から聞こえてきます。
日本語はドイツ人の5-60代くらいのご婦人が夏目漱石の「吾輩は猫である」を音読していたのでした。
観た感じ、私の母と同年代だったと思います。
ゆっくりではありましたが、ほとんどつまらずスラスラと読んでいて、外国人の方が音読する夏目漱石に心が少し暖かくなりました。
とても優しい声で丁寧に、一言一言噛みしめるように読まれていました。
ほんの少しある外国語なまりが可愛らしかった。
もうひとりの方は30代くらいの日本人風の男性で、女性が音読中に時々詰まるのですが、そうすると読み方を指導していました。
女性の日本語の習得具合からみるにかなり熱心に勉強されているように思います。
かなりご年配に見えましたが、今も熱心に勉強をされているのは素敵ですね。
私が読書をしていたのは2時間以上だったので、その間二人はずっとそうやって日本語の練習をしていました。
結構年の差のある二人、ドイツ人と日本人。すこし珍しい組み合わせですた。
オンラインで日本語の先生を見つけて、指導してもらっていたのでしょうか?
日本から遠く離れたベルリンで、ドイツ人のご婦人の日本語を聞けたのはとても素敵な時間でした。